ハンディキャップルーム普及への視程


1 はじめに
駅や空港を中心に道路や周辺建物を含めた一体的なバリアフリー化に係る新法が検討中である。 また、国土交通省はかかる重点施策の展開にユニバーサル・デザイン(以下UDと記す)を設計理念として用いている。 一方、UDは歴史が浅い上に展開方法が多様であるため、その理解には多くの事例に触れることが必須である。 これまで、環境や製品等への適用事例について紹介したが、今回は公共空間としてのホテルを事例に紹介する。
本文は札幌市内にあるホテルのハンディキャップルーム(以下HRと記す)の現状についてUDの視点から調査、分析したものである。 本調査に着手するきっかけは2002年12月に横浜市で行われた国際会議に参加した折、HRの厄介になったことにある。 それは客室内に車いすで使える浴室、便所と洗面台を備えていた。ただ、行き届いたその環境が、他方でHRの普及を阻む原因となるのではとの疑問を覚えた。 札幌市内でもHRを備えるホテルが徐々に増加していることから、上述の観点でHRについて調査した。

2 調査方法
2.1 調査方法と対象ホテル
本調査ではHRの施設概要と宿泊料金の現状について、公開情報を基に調査、分析した。 調査方法はホテル、旅行代理店や各種情報提供者がWEB上で公表している情報を収集し、その内容からHRの施設概要等について整理した。 実地調査でない関係上、情報提供者の考え方やホテル毎のサービス水準の違い等により、相互に比較しかねるデータが混在することが想定された。 しかし、 公表されている情報の恣意的な取捨や加工を避けつつ、そこにある現実を表現するよう留意した。 また、WEB上で宿泊料金、部屋面積、部屋数の一部が不明な場合は当該ホテルに直接確認した。
調査対象は札幌市内にあってHRを備えるホテルとした。 本文では個別ホテルの比較よりはむしろ札幌市内におけるHRの一般的傾向を探るため、シティホテル、ビジネスホテルと公共の宿の3グループ間で緒元を比較した。 これら3グループはホテル市場において果たす役割が異なっており、HRを導入する動機に差異があると考えられるからである。

2.2 調査対象の部屋と項目
各ホテルとも多様な客室を販売しており、スイートルームなど料金の高い部屋や、和室を含む部屋などもあった。 しかし、調査対象のHRがシングルルーム(以下シングルと記す)またはツインルーム(同ツイン)に限られていたことから、特殊な構成の部屋は調査対象から除外した。 調査項目と比較事項は以下の三点とした。
 ① HRの数 (総客室数との比較)
 ② HRの面積(同等一般各室との比較)
 ③ HRの料金(同等一般各室との比較)

3 総客室数とHR数
3.1 総客室数とHR数
札幌市内でHRを備えるホテル数は17軒、総部屋数は24室確認できた。札幌市内には老舗や高級を自称するホテルを含め百数十のホテルがあるが、大多数のホテルがHR未整備であった。
グループ別、HRの設置数別のホテル軒数を表1に整理した。ホテルごとのHRの整備数は1室のみが13軒と大半を占め、残り4軒の内3軒が2室、1軒が5室であった。 各ホテルの総客室数とHR数との関係を図1に示した。比較のため日米の法律に基づくHRの設置基準数(注記)に示した。 法定の設置基準数との比較では、ハートビル法施行規則の誘導基準を満たすホテルはビジネスホテルの1軒、 米国の規定(ADAAG)を満たすのはシティホテルとビジネスホテルが各1軒と公共の宿の4軒であった。 シティホテルは8軒とも総客室数が300室以上であるが、1軒を除き他はHR数が1ないし2室であった。


グループ別、部屋のタイプ別にHR設置のホテル軒数を整理したのが表2である。シングルのみが1軒、ツインのみが15軒、両方設置が1軒である。
調査対象ホテルの比較からは、大多数のホテルが総客室数にかかわらずHR数は1か2室であり、ツインだけを設けるところが主流であった。 ツインが選ばれる理由はHR使用者が同伴者と 投宿するケースが多いことと、宿泊客の構成に対してツインの方が柔軟との理由によるものと思われる。

表-2 室タイプ別HR数

3.2 グループ別HR普及状況
HRを備えるシティホテルは8件で、それらは総客室数の多い全国展開のホテルに限られていた。 ビジネスホテルはその成り立ちから、HRの整備に消極的であろうと予想したが、札幌市内で4軒の整備が確認できた。 また、札幌市内にある公共のホテル数はWEB上で15軒確認したが、そのうちHRを設けているホテルは5軒であった。 シティホテルはホテル間で規模、立地やサービス内容に違いが大きく、更に個々のホテル内でも部屋タイプによりサービスの内容や水準に選択肢を用意している。 そこで、一般客室を利用する人々はサービス水準や利用料金等に選択肢が広い。 他方、中堅以下のシティホテルにHRの整備例はなく、HRを利用する人々はサービス水準や宿泊料金の選択に空白領域が生じている。 ビジネスホテルは宿泊機能に特化した客室とサービスの簡素化により、格安料金で宿泊サービスを提供する。 HRを備えるシティホテルが高級ホテルに偏っている関係上、ビジネスホテルによる 値頃な宿泊料金でのHRの提供は選択肢確保の観点から意義が大きい。 公共の宿の役割が元々利益追求のみでないこと、及び民業との競合に対する批判があることを勘案すると、ホテル市場における存在理由を高める上でHRの積極整備も一案と思われる。

4 一般客室とHRの部屋面積
4.1 一般客室の部屋面積
調査対象ホテルが販売するシングルとツインの各種タイプ(スタンダード、ラージ等)について、部屋面積毎に度数を整理したのが図2である。 シングルの部屋面積はビジネスホテル(13-17m2)、公共の宿(15-19m2)、シティホテル(14-24m2)と順に広くなるが、グループ間の差は小さい。
ツインの部屋面積はビジネスホテル(18-26m2)、公共の宿(22-32m2)、シティホテル(21-42m2)と順に広くなる。 最狭クラスの部屋面積はグループ間に差は小さく、いずれも20 m2前後であった。 最広クラスの部屋面積はグループ毎の差が大きく、シティホテルでは最狭クラスの2倍以上の40m2を越える部屋が2つあった。 最狭クラスの部屋面積がシティホテルでも21m2であることから、宿泊機能に特化するのであれば20m2程度あれば必要最低限のサービスを提供できると考えられる。 他方、グループ内の最広、最狭の比較では、ビジネスホテルの差が小さく、シティホテルが 大きかった。 この違いから、シティホテルは値頃な部屋からゆとりの大きい部屋まで広い選択肢を用意する一方、ビジネスホテルは低価格の部屋に特化するという、市 場におけるそれぞれの 役割の違いを反映している。公共の宿はその中間的な傾向が認められる。


図-2 グループ別部屋面積の度数

4.2 HRの部屋面積
HRツインの部屋面積は広い範囲(22-60m2)に分散している(図2)。最狭クラスの2室はそれぞれのホテルのスタンダードツインより数平米大きいだけで25m2にも満たない。 他方、最広クラスの2室は50 m2を大幅に越え、スタンダードツインの2~3室分にも匹敵する。なお、HRシングルを設けているホテルは2軒しかなく、比較の対象から除外した。
実地調査を待たねば断定できないが、狭いHRはハートビル法施行規則の「利用円滑化誘導基準」のいくつかの条件を満たさない可能性があり、車いすでの利用に何らかの制約も想定される。 広いHRは車いすによる使用を前提としてもなお、HRとして必要な面積を越える余裕の大きな空間構成と思われる。

4.3 HR化に伴う部屋面積の増分
HR化に伴う部屋面積の増分を各ホテルの一般的なシングルまたはツインとの比較から求め、一般客室の床面積との関係で整理したのが図3である。 HR化に伴う部屋面積の増分はグループの違いや一般客室の部屋面積の広さとの間に関連性が認められない。 また、一般客室とほぼ同面積でHR化した4室がある一方、増分がツインの最狭タイプに相当する20 m2を越える部屋が5室あるなど、HR化における床面積の増分に重大な違いが認められる。
HR化に伴う部屋面積の増は浴室における車いすの活動空間及び、居室における移動と回転の空間の確保による。 その多寡は浴室と居室の設備のレイアウトにも依るが、元々の客室面積が小さいほど多くを要し、また大きいほど融通が容易と考えられる。 また、後述するように、客室の原価は床面積に比例する傾向が明確であり、客室の提供が経済行為である限り、その増分は合理的な範囲に集中すると考えた。 そこで、一般客室の面積が大きいほど、面積の増分は縮小する傾向となるだろうと推測した。 しかし、調査結果は元々の部屋面積との関係性が認められないばかりでなく、その大きさもツイン1室分を越える例も複数あるなど、事前の推測と異なった。
その主な要因として次の3点を考えた。 第一はホテル所有者がHRの整備をビジネスとしてよりはむしろ社会貢献として捉え、採算を度外視する考え方である。 部屋面積を大幅に増やしながらも宿泊料金の増を厳しく抑制する例がこれに当たる。第二はHRの設計技術に未解明部分があることから、不明な部分を余裕空間で補う考え方である。 HRの部屋面積の増分に規則性が認められないことにそれが伺える。第三はHRと位置付けながら、HRに必要な機能とは異なる機能を加える考え方である。 部屋面積が極端に大きいHRに車いす使用者が使い難い和室が備えられる例がそれである。


図-3 HR化による部屋面積の増分

5 一般客室とHRの宿泊料金
5.1 比較対象とする宿泊料金
各ホテルとも季節間で異なる料金体系を持つほか、ネット割引や宿泊プランなどそれぞれ趣向を凝らした割引料金で宿泊客の獲得競争を闘っている。 また、旅行代理店を通じた廉価販売や航空運賃と組み合わせたツアーなど、複雑かつ多岐に渡る商品が確認できた。 ここではすべてのホテルが公表している料金で、空屋がある限りその料金で販売し続ける料金を基本と考え、オン・シーズンにおける宿泊料金を比較した。 その料金はシングルの1人使用、ツインの2人使用とし、前者の2人使用や後者の1人や3人使用の料金は対象から除外した。


図-4 一般客室の部屋面積と宿泊料金の関係

5.2 一般客室の宿泊料金と部屋面積の関係
シティホテル、ビジネスホテルと公共の宿に分け、部屋面積と基本料金との関係を図4に整理した。シティホテルはほぼ赤色の線(1,000±200円/m2) の間に分布している。 ビジネスホテルと公共の宿はシティホテルの下側に分布し、概ね青色の線(600±200円/m2)の間にある。各グループがホテル市場において果たす役割の違いが平米単価にも表れている。 また、ビジネスホテルは部屋面積がシティホテルに比べ狭いことから、宿泊料金は20,000円以下に集中する。これはシティホテルが40,000円付近まで分布するのと好対照である。
ホテル毎に立地、客室の特徴や販売戦略が異なり、また同一ホテル内でも客室やサービスの差別化が行われるので、部屋面積と宿泊料金との関係を簡単に表現することは難しいと予測したが、 いずれのグループも基本料金と部屋面積との比例関係が明確になった。

5.3 HRの宿泊料金と部屋面積の関係 HRは車いすでの浴室乗り入れや居室内での活動を保障するため、浴室と居室に一般客室に比べ大きな空間を要する。 そこで、同水準の宿泊サービスを前提としても、HRは一般客室に比べ大きな部屋面積が必要になる。そこにHR化に伴う原価増の発生状況について整理した。 HRツインについて部屋面積と宿泊料金との関係を図5に示した。比較のため一般客室における各グループの平均的関係式 (1,000円/m2、600円/m2) を同時に示した。 シティホテルの8室は2グループに分かれ、4室ずつ異なる直線上に分布している。面積の狭い4室は赤色の線沿いに分布しており、一般客室の宿泊料金と同じ平米単価で料金設定している。 部屋面積の広い方の 4室は赤線より低料金側、水平に近い直線状に並んでいる。 即ち、それらは一般客室に比べ平米単価が安く料金設定され、部屋面積が拡大しても宿泊料金の上昇を抑制している。 ビジネスホテルと公共の宿は青色の実線付近にあるが、分布が一般客室の平均関係式よりやや下方にあり、平米単価は一般客室より安めに設定する傾向が認められる。
HRツインの宿泊料金をグループ別に比較したのが表3である。HR料金はシティホテルと他の2グループとが2万円代半ばを境に上下に分れた。 ビジネスホテルと公共の宿の平均料金はそれぞれ15,200円と18,200円とで値頃感がある一方、シティホテルは33,900円とそれらの2倍近くであった。 各ホテルのスタンダードツインの宿泊料金との関係をプロットしたのが図6である HRの宿泊料金は2軒の例外(図6黒丸)を除き一般客室と同じ(同赤線)または数千円高い程度である。 即ち、シティホテルのHRが他2グループより料金が高いのは、一般客室と同じ関係なだけである。 これは各グループが市場において果たす役割の違いが反映された結果であり、グループ間の料金格差はHRに特別の関係ではない。
HRツイン16室中13室に一般客室より広い面積を当て、内8室が平米単価を割り引いて販売していた。 ただし、割引はあくまでも平米単価での割引であって、宿泊客が支払う料金は一般客室と同程度かやや高めに設定されていた。 また、中堅以下のシティホテルにHRがないため、料金の二極化が顕著に表れている。


図-6  HRと一般客室との宿泊料金比較図

5.4 HRの宿泊料金設定方法による分類
シティホテル8軒の一般客室とHRとについて、部屋面積と宿泊料金との関係を図7に整理した。矢印の始点が一般客室、終点がHRの関係を表す。 破線の水平軸投影長さが部屋面積の増分を、縦軸への投影長さが支払額の増分を、そして傾きが料金への転嫁の程度(平米単価の高低)を表す。 比較のために一般客室における両者の関係を赤色の実線(1,000円/m2)で示したが、傾きが小さいほど床面積当たりの平米単価を安く設定していることを示す。
同図よりHR料金の設定方法は特徴ある3タイプに分類できる。それぞれの料金設定の特徴とHR普及への課題は以下の通りである。


図-7 料金設定の分類

5.4.1 従量的な料金設定
第一のタイプは破線矢印が赤実線にほぼ並行する赤色で示した2室で、UD化により増える面積に対して一般客室と同じ平米単価を課している。 もしこのタイプがHR利用者にとって機能的にも料金的にも利用しやすく、かつ一般客室と同程度の稼働率が維持できるならば、採算性のある商品として成立する。 しかし、調査対象の2ホテルは面積増を料金に転嫁したことにより20,000円近く料金が増え、利用者にとって負担が大きく、稼働率が維持できるか疑問である。
必要に迫られてHRを利用する人々はHR化に必要な床面積の増を甘受するかも知れない。 しかし、2室共に部屋面積の増分が15~20 m2と広く、利用客がそこに合理性を越える空間があると感じる場合には、宿泊料金に不満を覚える可能性がある。

5.4.2 従機能的な料金設定
第二のタイプは破線矢印が水平に近い傾きの青色で示した4室である。 部屋面積の増分がいずれも10m2以上、多い部屋で30m2にも達し、平米単価から推参すると1~3万円の原価に相当するが、宿泊料金の増分は数千円程度に抑制されている。 これは先に整理した宿泊料金設定の一般的な規則に反する。
料金抑制の根拠を推測すると、ホテルが宿泊客に提供する「1泊の宿泊サービス」は一般客室とHRとで同じであると考え、部屋の広さでなく、サービスに料金を課す考え方と解釈できる。 しかし、本タイプにおける実質稼働率はHRが売れた日数の割合でなく、それに平米単価の割引率を乗じた積として扱うのがビジネス上妥当と思われる。 従って、HR化に伴う部屋面積の増分がこれまでの高水準にある限り、365日販売できたとしても稼働率は50~70%であり、採算性を維持することに困難と思われる。

5.4.3 空間融通型HR
第三のタイプは破線部分のない黒矢印だけの2室である。部屋の配置を一般客室と同程度にすることで宿泊料金を一般客室並みに維持している。
居室と浴室との取り合いやレイアウト等の工夫により面積の増大を避けたものと推測する。 もし、空間配置の融通だけで目標とする環境水準を達成できるのであれば、客室の提供者と利用者の双方から受け入れられやすい。 ただし、一方はツインの一般客室としても狭い方(22m2)であり、車いす使用者が浴室や居室を独力で使えるか実地調査が必要と思われる。 他方は一般客室のツインとしてはやや広めの30m2であり、HRとしてはツインの必要最小面積(20m2)に最大級のユニットバス(5m2)の倍を加えた値に近い。 後者は居室と浴室との空間の融通でHR化が実現できそうな広さであり、一般客室とHRとのレイアウトの違いは検証対象として興味深い。

6 市場の働き
前章までは各ホテルの基本料金を対象として整理・分析した。しかし、札幌市内のシティホテルは熾烈な競争を行っており、多くが各種の割引料金や組み合わせ料金などで客室を 販売している。 宿泊市場は盆正月の期間を除き、割引料金が広範に利用されている。そこで、本節ではシティホテルの値引き販売料金について概説する。

6.1 インターネット割引料金
調査対象ホテルの8ホテル中6軒でインターネットネット割引料金がある(調査時点2004年6月)。各ホテルとも販売する客室数を明示せず、どれほどの購買性があるか定かでない。 しかし、観光シーズンの6~9月でも時期や曜日により高い割引率で提供するホテルもある。各ホテルの一般客室の基本料金と割引料金及びHR料金を図8に示した。 各ホテルが時期や曜日毎に使い分けている料金をすべて記した。複数のホテルは半額程度まで値引きしており、利用者にとって値頃感が高い選択肢となっている。


図-8 シティホテルの各種料金

6.2 航空券と組み合わせたパッケージ・ツアー
航空運賃とホテル料金とを組み合わせたツアーも値頃感があり、利用者にとって重宝な商品である。大手旅行代理店が7~12月期に販売している東京発札幌1泊2日のツアー料金を図9に示した。 宿泊は調査対象ホテルのスタンダードツインを2人で使用する場合の平均一人の料金である。 赤色実線は往復航空料金に障害者割引(片道17,650円×2)を適用し、HRツインの平均料金(33,900円/2人使用)として求めた一人分の料金である。 HR利用者は航空運賃で大幅な割引を受け、またホテルでも平米単価で優遇を受けているにも関わらず、その効果が顕著な期間はお盆前後の3週間と年末の数日に限られる。 7月前半や9月の週日は一般客室のパック料金が1万円以上、10月以降は2万円以上HR利用者の料金を下回っている。


図-9 航空券組み合わせ宿泊料金の比較

6.3 その他割引
調査対象ホテルの割引商品を調べたところ、上記以外にもホテルが販売する宿泊パック、旅行代理店が取り次ぐ商品など、多様な割引料金があった。 しかし、ホテル毎に商品内容が多様であり、それらの購入可能数も分からないのでホテル間の比較を断念した。それらの多くに魅力的な商品が認められたが、一般客室のみが対象であった。

6.4 HRの割引料金
HRの割引事例を探したが、1軒のシティホテルがオフシーズン割引を適用する外は、インターネット割引、航空運賃組み合わせツアーその他、HRを対象とする割引商品はなかった。 基本料金の比較では一般客室とHRとで支払額が同程度であったが、実効料金比較では一般客室とHRとで格差が生じる期間が相当期間ある。 ホテルや割引料金にも依るが、基本料金の半額近くまで割り引かれる商品などは、平米単価でもHRを下回る可能性さえある。 以上より、多くのホテルがHRに対して大きな割引をしていることは事実であるが、実効面ではその効果が希薄化する状況が伺える。
各ホテルが共にHRに割引を適用しない理由としては、割引販売が薄利多売や稼働率向上を目的に行われ、元々1~2室しかないHRは割引販売に馴染まないことが考えられる。 また、多くのホテルが繁忙期や盆正月を含めて平米単価で3~5割引でHRを販売しているため、閑散期に更なる割引を導入する積極的な理由がないものと考えた。 他方、一般客室と同じ平米単価を課すホテルは、HRを値引きする発想は元々ないと思われる。

7 利用性に係るまとめと課題
これまで調査項目ごとにデータを分析した。 本章ではHRの利用性の観点から①物理的障壁の除去、②選択性の保障及び③空間構成と原価との関係について整理し、HR普及に向けての課題について考察する。

7.1 HRの物理的障壁除去の課題
調査対象ホテルの多くは一般客室より大きな空間をHRに割り当てている。 福祉環境整備の設計マニュアル等1)が整備されていることから、それぞれに物理障壁の緩和・除去が達成されているものと思われる。 他方、調査データはHR化に伴う面積の増分に規則性が認められない上に想定を越える増大があるなど、説明し難い状況も示している。 このことは物理障壁の緩和における設計マニュアルの適用方法に統一性が乏しいことを示唆する。 つまり、HRと同じ表現で括られる客室であっても、各部屋の利用環境に違いのある可能性が大きい。 また、単独行動できる車いす使用者が独力で使える空間構成から、介助が必要となる制約的環境まで、様々な水準の利用環境が混在するものと思われる。 これでは客室を利用する側と提供する側との間で環境水準に対する認識に差が生じ、宿泊の現場において混乱を引き起こす可能性が潜在すると思われる。
これよりHRの普及において物理障壁の緩和を目指すには、整備目標として「統一的な尺度に基づく環境水準」を定めることが肝要と思われる。 また、その環境水準とHRに求められる空間の大きさや配置との関係について技術的検証が必要と考える。

7.2 HRの選択性の担保
旅行を計画する人々にとって宿泊地とホテルの選択は重要な決定事項になる。それらは旅程と予算に支配的な影響を及ぼすからである。 HRが普及途上にある本道において、ホテルの選択性の狭さはHRを必要とする人々にとって旅行計画の制約条件となる。ここでは宿泊料金と旅程の二つの観点から選択性の問題を考察する。
札幌市内でHRを備えるシティホテルは規模の大きなところの一部のみで、宿泊料金の高いクラスだけであった。 この事実の対偶は規模が大きくてもHRを備えないシティホテルがあると同時に、中堅以下クラスはHRの設置が皆無であることとなる。 公共の宿やビジネスホテルを別にすると、HRを必要とする人々は宿泊料金の選択肢が少なく、料金の高いホテルしか 選べないことを意味する。 公共の宿やビジネスホテルを含めて計画するとしても、二極化する料金グループからの二者択一的な選択となり、一般客室を利用する人々と比べて制約の大きな旅行計画となる。
札幌市域は宿泊市場が大きい一方ホテル数も多く、相互にしのぎを削っている。しかし、2002年にDPI会議が開催されたせいか、17軒ものホテルがHRを整備していた。 他方、北海道内の地方都市には高級ホテルはもとより公共の宿やビジネスホテルのない市町村も多く、宿泊サービスの主たる提供者は中堅クラス以下のホテルとなる。 そこで、HRの利用を前提とする旅行計画では、札幌市から日帰り圏の旅程が限界となる。このため、旅行計画の選択性の観点からは、HRの地方都市への普及が望まれる。 その実現への前提条件としてはホテル所有者がHRを積極的に導入しようと思える条件作りが課題で、採算性のあるHR商品の開発が必須である。 これよりHRは空間が大きい程望ましいとの考え方は否定される。なぜなら、必要以上に大きな床面積を当てることはHRの原価上昇を招き、ホテル所有者がHR整備への意欲を削がれるからである。 即ち、HRの設計に当たっては必要な利用環境を満たすと同時に、過大に させない抑制的な計画手法が重要となる。

7.3 HRの原価と負担の構図
調査対象ホテルの多くがHRに大きな床面積を割り当てることで客室の原価上昇を招き、そのことがHR普及における隘路をとなっている。 HR化に伴う原価の上昇分を宿泊料金に転嫁しても、社会貢献活動と位置付けて抑制しても、いずれの場合もHRは不採算商品、もしくは不良資産と化す構造的な問題が見える。 これが多くのホテル所有者にHRの設置を躊躇させる原因となる。
それではHRを必要とする人々が使える環境にするための空間確保が、HR普及の妨げとなることは不可避であろうか。 HR化に伴い客室原価の上昇が避けがたいとしても、HR回避の理由を原価上昇に帰着させるためには、客室内の空間が合理的に割り当てられていることが前提となる。 しかし、4章でHRの床面積の増分に規則性の認め難いことを指摘し、HR化の対処技術に おける合理性に疑問を呈した。 ここに合理性とは提供しようとするサービスと割り当てる面積やその配置との関係である。 そして、合理的なHR化には必要な環境を整えること(必要条件の具備)と同時に、必要以上の空間を極力押さえること(制約条件の満足)との両面からの取り組みが必要となる。 この必要条件と制約条件との関係を規定するのが HRで提供しようとする「統一的尺度に基づく環境水準」である。 目標となるサービスの水準とそれが備えるべき環境、即ち余裕空間の大きさや配置に関する技術的検討が進むとき、HR化に伴う原価上昇の真の課題がより明らかになるであろう。

8 UD的な試考
8.1 UD的な視点
本章ではHR設計における合理化への道筋について「統一的尺度に基づく環境水準」設定の観点から検討する。 筆者は環境設計にUDを適用する際、「利用の統合」と「価値の綜合」という切り口でのサービス目標の設定法を提案した2)。 HRの開発にこれを展開するならば、サービスの目標は「多様な能力、嗜好や立場の人々が使えるのみならず、 使いたいと思える客室」で、かつ「アクセシビリティに係る配慮が新たな魅力として昇華する客室」となる。具体には次の三点を達成目標と考えた。
 ① HRを必要とする人々が宿泊できる空間等の環境を整備すること
 ② HRを利用する側と提供する側が共に相当と受け入れられる客室原価を維持すること
 ③ HR化がアクセシビリティ向上以上の価値をもつ商品に昇華させられること
①は空間構成の必要条件、②は客室空間拡大への制約条件、③は相反する価値の綜合条件である。①と②との折り合いはサービスを使用できる人々を設計上どのように設定するかが課題となる。

8.2 アクセシビリティと設計条件
8.2.1 検討対象とする空間
移動制約者にとって外出は長い鎖をたどるような行為である。行為の鎖を構成するリングの中で最も厳しい条件が全体の利用環境を支配する。 そこで、居住場所からホテルの利用に至る経路をリングに見立てると、①居住場所からホテルまでの公共空間、②敷地を含むホテル内の共用空間、③宿泊客の占有空間及び ④それら相互の接点に大括りできる。これらのすべてについて均一な水準でアクセシビリティを確保することが効果的な社会資本整備であろう。 ただし、本文ではHRを調査対象としているので、③の客室に限定して論ずる。 ここにアクセシビリティの検証範囲は、客室の扉を含む居室内の移動空間と、浴槽、トイレと洗面台を含む浴室とに大別して考える。

8.2.2 サービスの対象とする利用者
UDは「可能な限り最大限度まで」「誰もが利用できる」環境の創出を目指す考え方6)である。 他方、機能障害を持つ人々が利用できる環境的限界は、機能障害の原因とその重症度、年齢、性別、その他で異なる。 そこで、HRの構想段階で「統一的尺度に基づく環境水準」の目標を明確にすることは、「可能な限り最大限」の対象とする利用者を区切ることであり、 また施設設計上の要求性能を確定することとなる。利用環境に対する広範な要求を抽象的に「誰もが利用できる」と想定するのでは、合理的な環境設計が望めず、 また限界を明確に認識することにより、供用区域、居室と浴室の間で均衡のとれた環境設計が可能にもなるからである。 鎖の法則はHR内での活動についても成立し、最も厳しいリングの条件が客室全体の利用性を支配するのである。
UDにおいて設計仕様の限界を構成する人々の想定に関し、筆者はサービスを届けようとする人々のグループとその範囲として「対象」と「射程」という概念により明確化することを提案した3)。 本文ではその考え方を展開する。

8.2.3 HR設計における「対象」
HRを必要とする人々のグループには車いす使用者、杖の使用者、老人、視覚障害者等と広範な人々が想定される。 そのうち、視覚障害者が使いやすい利用環境は、客室の大きさよりむしろ 空間や設備の配置が重要となる。 また、他のグループの人々は車いすで乗り入れられる空間環境であれば、おおむね使用可能と考えられる。 そこで、HR設計の「対象」は車いす使用者を主眼に、他の移動制約者の利用性を加味する方法が効果的と考える。

8.2.4 人的支援を織り込んだ「射程」
設計における「対象」を車いす使用者に限定しても、脊髄損傷、脳性麻痺、片麻痺、老人等車いすに依存する要因は多様であり、また機能障害の程度等によって運動能力が異なる。 また、車いすは使用者の運動能力や使用法等により手動、電動、介助用、ストレッチャータイプなどが使われる。 それぞれ機材寸法が異なるばかりでなく、移動性能や回転半径等が違うため必要とする空間に違いが大きい4)。 そこで、HRの使用が想定されるすべての人々が自立的に使える環境に設計することは、物理的、商業的な観点から現実的限界がある。 「統一的尺度に基づく環境水準」を定めて施設対応によるサービスの限界を区切るのが「射程」である。
利用性と商品性の両面に優れたHRにすべく「射程」を設定する上で、環境水準の改善を施設改良だけに頼るのではやはり物理的、経済的な限界に行き詰まる。 そこで、利用可能な人的支援を前提とする環境設計が現実的かつ効率的である。 実際、移動制約者は旅行中に人的な支援を当初から織り込むまれる場面があり、障害の程度が重度になると外出には同行者を伴うケースも多くなる。 他方、ホテルは客室の販売と共に対人的サービスの提供を主務としていることから、ある程度の人手の提供を終日期待できる。 そこで、車いす利用者の外出方法を人的支援との関わりから4グループに分けた。
  a.単独で外出できる人々
  b.介助があれば日単位の外出できる人々
  c.介助があれば短時間外出できる人々
  d.必要なとき以外は外出しない人々
これらのすべての人々が自立的に宿泊できる環境水準も「射程」の選択肢として考えられるが、HR普及の観点からは厳しい条件といわざるを得ない。 他方、宿泊を伴う外出に同行者を伴うb~dの人々の利用において、浴室内について介助用車いすでの使用を是とするならば、空間構成への要求はかなり緩和される。 その設計条件では、居室内通行部分は電動車いすでの 必要空間、浴室は手動車いすでの必要空間を用意することを環境設計の目標とできる。 このような環境水準を設定すればハード面ではaの人々が自立的に宿泊できる環境創出への投資で、実体的にはb~cの人々が使用できる環境にできる可能性が拡がる。 これも「射程」のひとつの選択肢となる。実際の設計過程においては射程とそれに対応するレイアウトを比較しつつ、 ビジネスとして成り立つ環境水準の設定が求められよう。

8.3 価値の綜合への取り組み
8.3.1 新たな価値創出の可能性
UD化におけるもう一つの課題は、アクセシビリティ改善のために加える配慮が、その改善を必要としない人々にとって新たな魅力と感じられる価値に高める工夫である。 即ち、移動制約のない宿泊客がHRに対して一般客室にない魅力を実感でき、床面積の増分に見合う料金増を負担に感じさせない客室開発が目標となる。 そのような客室は開発の端緒が HRであるとしても、多様な人々が利用する一般客室にできる。
札幌市内のホテルは過当競争にあるといわれており、ホテルの客室に就寝のための機能以上の空間を求め、割高な客室を購入しようとする需要が主流ではない。 他方、宿泊客のすべてが従来の「機能本意の客室」に満足しているかも疑問である。即ち、ただ単に宿泊するだけの機能を必要とするのであれば、従来の客室は必要なサービスを提供している。 しかし、例えば 部屋に戻って旅先の余韻を楽しもうとする人々にとって、四方から迫る壁と居室の大部分を占拠するベッドはいかにも無粋である。 この不足を埋められるのはサービス指向の発想であり、そこにUD的な価値の綜合に向けた検討の余地をみる。 移動制約者に必要となるアクセシビリティのための空間を、就寝以外の例えば「旅先での弛緩のひととき」を演出する空間に設えるのがUD的な取り組みである。 次に、そのような商品に価値を認める顧客の発掘について考える。

8.3.2 顧客再編の切り口
我が国では団塊の世代が現役を退く時期は目前に迫っている。彼らは隠居するには肉体的に健康過ぎる上、可処分所得を蓄えている人々も多い。 ただし、元気であるといっても、若い時分のように環境に合わせて肉体を使うことに困難や苦痛を覚える年代である。その上、時の経過は彼らから柔軟性を奪っていく。 そんな人々の間に潜在的にある需要を顕在化させる 道筋をUDの視点から考える。団塊の世代が現役時代にした旅行計画で重要視した要件は、主に時間と費用との合理的配分であった。 即ち、職場に気兼ねしつつ少ない休暇をやりくりし、家のローンや子供の学資と相談しながら家族全員分の旅費を工面するような旅であった。 他方、定年後においては時間が活用可能な資源と変わり、むしろ肉体的な負担の軽減に 重きをおく人々が増える。 即ち、定年を迎える人々は旅行の時期や期間を選べる上、夫婦2人だけの旅費で済む。 短時日に多くの名所旧跡を脱兎の如くに駆けめぐる旅行よりも、時間をかけて心を楽しませるたびに魅力を覚える人々を発掘できるかも知れない。 ビジネス的には大定年時代を迎える人々の大多数がそうである必要はなく、新タイプの部屋が採算分岐点を越える程度まで人々の支持が得られれば十分なのである。

8.3.3 共用的なHRの可能性
かかる客層が従来のサービスに心から満足しているだろうか。例えば、ベッド、浴室やトイレの使い勝手、サイドテーブルやイスと周辺空間等に現状のままで満足だとは思い難い。 また、連れと就寝までのひとときを楽しもうとすると、空調、防音、照明やBGMなどが本当に宿泊客本意となっているか疑問である。 自分自身の好みに合うまで、空調や音響のボタンを徹底的にいじる若者はともかく、団塊の世代にとって操作の複雑な機械はアリバイ的な無駄としか思えないホテルも多い。 この課題の周辺にUD的な設計における「移動制約を持つ人々」と「団塊の世代」の要求性能の重複が見いだせる。 即ち、「移動制約を持つ人々」にとって使いやすい環境は、これからの「団塊の世代」にとっては 心地よい環境と重なり、そこに共通的な設計への指向を発掘できるかも知れない。 つまり、HRを障害者用特別室として設計するのではなく、大定年時代を迎える人々のニーズに応えられる施設設計を目指すところにUD的な解決策がある。

9 おわりに
UDがただ単に障壁の除去だけを目指す理念ではない部分を感じて頂きたい。なお、本文の内容は全体を通じて机上調査及び試考に終始している。 また、ホテルの利用者でしかない筆者が、ホテル経営の論理にまで踏み込んだ部分もある。従って、細部には誤解、独断や思いこみなどが含まれている可能性も否定しない。 ただ、UDという設計装置を適用することで、HR普及への 新たな道筋を見いだす可能性については一定の理解を得られるものと考える。 また、本調査結果に基づき、HRに係る実地調査とビジネスとしての管理・運営上の課題について追跡調査を行いたい。

引用文献等
1) 例えば、(財)北海道建築指導センター:北海道福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル、pp151、1998
2) 石田享平:ユニバーサル・デザインの原則、http//:river.ceri.go.jp/envcom/udabc33.html
3) 石田享平、鈴木優一、高橋良雄、工藤勇:アクセシブルな園路の設計、北海道開発土木研究所月報、pp2-15、2003
4) 例えば、6)のpp15
5) 国土交通省:高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律、http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/hbl.htm
6) 認定等によるメリット:税制上の特例措置、低利融資制度、容積率の特例、確認手数料の免除
7) 米国法務省:Americans with Disabilities Act、http://www.usdoj.gov/crt/ada/adahom1.htm
8) 米国アクセスボード:Accessibility Guideline for Buildings and Facilities、http://www.access-board.gov/adaag/html/adaag.htm


(注記)
法令によるHR設置義務数
我が国と米国のHR整備に係る義務化または誘導にかかる法令について概説する。
我が国のハートビル法5) (平成14年7月最終改正)は、下位法令を含めホテルの所有者に対してHRの設置義務を課していない。 ただし、同法施行令(平成15年1月最終改正) 5)で「利用円滑化基準」を定め、床面積が2,000平米以上のホテルに対し施設内及びアクセス経路の改善や障害者用便所の整備等を通じて、 共用空間における「高齢者、身体障害者等が円滑に 利用できる」環境の創出を義務化している。 また、同法施行規則(平成15年3月最終改正) 5)に「利用円滑化誘導基準」を定め、それを満たすホテルに建築基準法の適用緩和等6)の優遇措置を行うなどして、HRの設置誘導を行っている。
米国の法律は総客室数が51室数以上のホテルの所有者にHRの設置義務を課している。 その根拠法は1990年制定の「障害を持つアメリカ人法(通称ADA7))」である。 同法の定めにより制定され、HRが満たすべき条件を規定するのが「建物等のアクセシビリティに関する指針(通称ADAAG8))」である。 この指針では車いすで乗り入れ可能な浴室を有する客室の設置基準数等を定めている。
HRの設置基準数について日米の比較を下表に示した。我が国の誘導基準の方が米国の基準数より多い。 しかし、それは一般的設置義務ではなく、あくまでも優遇措置を申請する場合の必要条件で、HRを設置するか否かはホテル所有者の判断に委ねられる。

表 日米のHR設置基準数


北海道開発土木研究所月報 2005年6号号掲載